世界的な大不況や雇用不安などさまざまな問題を抱えた厳しい年を迎えました。幸い富士情報はこうした世の中の状況に比べれば安定した状態で新年を迎えることができました。今年に限らずこのところ毎年厳しい環境下にありますが、皆さんのご協力を得ながら着実に課題に取り組んできた結果です。来年もまたこのようなかたちで新年を迎えられるよう頑張っていきたいと考えています。そこで今年の指針を「継ぐ・創る」にしました。
仕事や生活において全ては「継ぐ」ということで、成り立っています。私たちの日常や仕事において自分で作り上げてきたと思いがちです。しかし、実際には先輩たちが創ってきたものを有形・無形の資産として継いでいるだけです。そして、人によっては継いだ資産を増やしたり減らしたりして、あたかも自分で築いた資産のように振舞っているに過ぎません。人間性を豊かにするためには謙虚な気持ちで多くの人、または本などの媒体と接して上手に「継ぐ」(勉強する)のがよい方法だと思います。
昨年の北京オリンピックでは日本選手が短距離リレーや競泳リレーでメダルを獲得しました。また、駅伝という競技も日本が発祥です。我々日本人は「継ぐ」ことが得意で、強い思い入れがあります。上手に継ぐことで個々の実力の総和以上の結果を得ることができます。
仕事においてもさまざまな場面で「継ぐ」ことに遭遇します。役職や仕事などの引継ぎもそうですし、一つの仕事においてもお客様、営業、管理、現場といった異なる立場の間で継ぐことで仕事が成り立っています。仕事を遂行するために最低限で継ぐことも可能ですが、仕事の価値を高めるためにはそれぞれの部門において価値を創造していく必要があります。「創る」を意識することで継ぐ際にも、継いでもらう際にも積極的に相手の立場を尊重して継ぐようになっていきます。まさにリレー競技のごとく前走者は想いや期待を込めて継ぎ、次の走者も責任を引き継ぐことで「継ぐ」ことが生きてくるのです。
今年は厳しい経済環境になりますが、富士情報がよりよい方向に発展していくよう、良いものを創造するために「継ぐ」ということを意識して欲しいと思います。私自身もどのような「継ぐ・創る」仕組みが必要なのかを考え、「継ぐ」ということがおろそかにならないように、より具体的なかたちで進めていきたいと考えています。