2009年08月 乳がん

2009年08月 乳がん

 7月にミュージシャンの川村カオリさんが亡くなりました。2004年に乳がんを発症して乳房を切除しましたが、再発後も病気と闘いながらさまざまな活動を続けていました。先日ノリピー(酒井法子容疑者)が覚せい剤所持容疑で逮捕され話題になっていますが、同じ38歳でも対照的な人生を送っていると感じました。
 最近『死ぬときに後悔すること25』という本を読みました。著者の大津秀一さんは末期医療の現場で、人が死ぬときにいかに苦しみを伴わないで過ごせるかということに携わっているお医者さんです。人間は生きているときには自分の欲とか感情に左右されて、時が過ぎると後悔することが多くあります。そのため死を目前にした人の言葉はとても貴重で本質をついていると思います。この本には健康を大切にしなかったこと、タバコをやめなかったこと、自分の気持ちに正直になれなかったこと、感情に振り回されて一生を過ごしたことなどいろいろ書いてありますが、自分のやりたかったことができなかったことを後悔している人が多いようです。最後の25番目に書かれているのは「愛する人に“ありがとう”と伝えなかったこと」でした。私たちはいろいろな人に助けられ、ときには人を助けながら生きてきています。いきなり言葉にして伝えるのは難しいと思いますが、日頃から意識して、態度や雰囲気で伝えることができます。素直に、意地をはらないでいれば、皆さんをとりまく人たちももっと気楽に充実した時間を過ごせると思うので、後悔しない人生を過ごせれば良いと思います。
 乳がんはガンの語源にもなっていて乳房に岩のようなしこりができる病気です。英語のCancerも乳がんが語源でガンがカニの手足みたいに伸びていくことに由来しています。乳がんは女性にとって身近なガンで20人に1人が発症する危険性があり、40代を過ぎるとその確率が高くなり、早期発見、早期治療がとても重要です。厚労省の指針では50パーセント以上の乳がん検査受診の目標にしていますが、実際には40~60代で1割か2割にとどまっているようです。検診に補助の出る市区町村も多いようですので積極的に受診するように心がけてください。健康であってこそ充実した時間を過ごせますので、それぞれにあったケアの仕方、生活習慣を身につけてほしいと思います。