8月30日に行われた衆議院選挙で民主党が308議席を獲得するという歴史的な勝利を収めました。政党別の得票率では民主党の47.4%に対して自民党は38.7%でその差は10%もありませんが、議席数では民主党が64%を獲得し、自民党は25%にとどまりました。小選挙区制度を導入した目的の一つは政権交代をしやすくすることで、少しの得票の差でも政権交代を可能にして、民意を反映した政治を作っていこうとするものです。今回の選挙では結果が顕著に表れ、民主党に政治を任せるという国民の意思が示されました。
民主党はマニフェストで多くの政策を打ち出していますが、私たちは受け入れて、よく注視していかなければならないと思います。問題があれば次の選挙で自分たちの意思を表すチャンスがありますので、そのときのために日ごろから政治に関心を持っていかなければなりません。
私自身が新しい民主党政権に対して考えていることの一つは、民主党には新人議員が143人もいるということです。新人の議員がいきなり政治家として手腕を発揮できるとは考えにくく、まだまだ未知数です。ただし、志の高い人も多いようですので、あたたかく見守っていかなければならないと考えています。
20年ほど前、私が学生の頃に“幹事長”というあだ名の同級生がいました。彼は当時自民党の幹事長をしていた小沢さんに似ていました。奇しくも今回の政権交代で小沢さんは民主党の幹事長になりました。民主党の中にはほかにも自民党出身の政治家が多くいますので、民主主義政権が選択する施策の優先順位が変わるということだと思います。政権交代があったからといっても、軍事国家へ転換するとか、アメリカと国交を断絶するというような大きく劇的に変わることはないと思います。
民主党は特に官僚主導の政治からの脱却を政策に掲げています。これはお金の流れを変えることを意味し、経済的な影響は未知です。相変わらず世の中が混沌としていますが、私たちはどのような政権になろうとも、軸足をしっかり置いて自分なりの生活を組み立てることが求められていると思います。政権交代は自分がこれからどういう価値観で生きていくかを考える良い機会でもあると思います。