一般的な音楽の音階の基準となる音は440ヘルツでドレミファ…の“ラ”にあたります。それの倍音、つまりオクターブ上の“ラ”との間を12分割して音階を作っていて、この12の音を使ってクラシックやジャズや民謡などさまざまな音楽が奏でられています。世界中にはたくさんの人種があり無数の言語、文化が存在するのに、音楽は一つのシンプルな音階で実現できるというのはとても素晴らしいことだと思います。
この440ヘルツの“ラ”の音は楽器のチューニングなどに使う音叉おんさ に使われています。一説によると赤ちゃんの泣く声がどの人種でもおおよそ440ヘルツだそうです。つまり人間が反応しやすい音を基準にしたのだと思います。たとえばピアノは1オクターブの12個の音を白鍵7個と黒鍵5個を使って分けています。音には協和音、不協和音というのがあります。音にも相性があって周波数の比率が2:3つまり周波数が、1.5倍の音との相性が一番良いと言われています。この場合基準の音が2回振動する間に1.5倍の音は3回振動することになり、違う音でも近い周期で同期が取れていると二つの音が調和し、つまり心地よい和音として聞こえるのだそうです。
2対3とか4対5など比率が小さい場合がより親和性が高いそうです。社員の人たちと接するときも、常に行動を共にしなくていても、話を投げ掛けたときの反応や、途中経過を聞くときに、ぴったり符合があえば協調し同期が取れているような印象をうけます。逆にたとえ、得られる答えが合っていても、どこか大事なところが異なっている場合は不協和音のように違和感を覚えます。
富士情報という会社は「正確・信頼」という独自の音で音楽を奏でています。お客様は当然富士情報の結果を重視しますが、当社と触れ合う過程で、当社の仕事に対する考え方、プロセスを感じているはずです。
音の原理原則と同様、仕事・組織においても原理原則は万国共通であると考えています。富士情報の社員一人ひとりは個性があり、素のままでは音階のように12個に分けた基準の音にそれぞれがぴったりのところにいるとは思いません。ラに近い人はラに、ソに近い人はソに近づいてもらうことが必要です。また調が変われば主となる音が変わり、それぞれの役割も変わります。これらの調和を取るのが経営陣であると考えています。
これからも富士情報の基準音をしっかりと発信し、良い和音、良い音楽を作っていくような感覚で組織をまとめていきたいと考えています。