2010年01月 開く拓く

2010年01月 開く拓く

 2009年は政権が変わり、いまだに先行きが見えない状況が続いています。このまま流れに身をゆだねるのではなく少しでも自分たちの力で未来を切りひらきたいという想いを込め、今年の指針は『開く拓く(ひらく、ひらく)』としました。“開く”は閉じているモノをあけるという意味で、“拓く”は未開の土地をきり拓く様という意味です。
 私がこれまでにお会いしてきた方で素晴らしい実績をもち、さらに人間的に素晴らしい方々で共通している特徴があります。それは、周りのことを自然に受け入れるということです。あらゆる事柄に興味を持ち、固定概念を持たずに柔軟に考えているのだと思います。たとえ相手の立場が違っても意見を聞き、理解し、前向きなアイデアを出し、さらにアイデアを実践します。その結果大きな成果が得られたのだと想像します。このように書くと非常に当たり前のように受け取れるかもしれませんが、現に我々が日常生活や仕事の上で“開いて”いないことが多いのではないでしょうか?聞く前から筋道や結論を自分で出しておいて、開いているつもりでも自分に都合の良い情報だけ耳を傾けているのではないのでしょうか?ときには、今までの実績や経験が邪魔することがあるかもしれません。常に初心に戻り“開き”学び続けることが重要だと思います。
 当然心を開き新しいアイデアを出すだけでは不十分です。アイデアを実践するための実行力が必要です。そのためには拓くことが重要になります。“拓く”は手ヘンに石のつくりですから、荒地にある石を一つずつ手で拾って、土地を使えるようにするという行為を表していると理解できます。“拓く”というのは手を抜くことなく血の滲むような地道な作業が必要です。荒地を使える土地にするため、ただやみくもに目の前の石を拾うだけでは意味がありません。拓いたあとのイメージを描きながら足元にある小石を一つずつ地道に拾っていくことになります。イメージのみに拘ってしまうと足元の石拾いが疎かになり、結果として中途半端で使えない土地になってしまいます。地を割って出てくる芽にとっては小さな石ころでも致命的な障害になってしまいます。一方で足元の石ばかり見ていてはイメージ通りの結果が得られず、方向違いの結果となってしまいます。これらの相反した行為を適度にバランスさせることが最も重要です。
 今年は富士情報の未来をみなさんと一緒に開拓していきたいと思います。昨年から“品質”について様々な施策をすすめてお客様で評価をいただきましたが、今年はさらに核心に近づき打破して行きたいと考えています。みなさんもお客様や会社、同僚の声に心を“開き”、富士情報の未来、社員一人ひとりの未来を共有し、課題山積の荒地の小石を一つずつ拾って一緒になって開拓を進めてもらいたいと思います。