2010年04月 社長訓示(要旨)

2010年04月 社長訓示(要旨)

 入社おめでとうございます。皆さんの入社を歓迎し、心からお祝い申し上げます。多くの若くて可能性のある仲間を迎えることができ、とてもわくわくしています。非常に厳しい環境ですので希望とともに、不安でいっぱいだと思います。そこで、皆さんを迎えるにあたっていくつかの話をさせていただきます。
 ・継承と創造
 当社は37年間良いお客様や社員に恵まれ、非常に厳しい環境でも健全な経営を心がけ、事業構造の改革、より高度な業務へのシフトを推進してきました。事業の改革には、“既存業務の継承”と“新しい価値の創造”の二つ観点があります。これまでは継承の割合が大きく、創造は少なめで比較的穏やかな変化で対応してきました。しかし、いまは変化に対する要求が非常に高くなってきていますので、それに対応できる組織を作ろうとしています。ただ、現業を続けながらの変化は非常に難しいと考えていますので、ここにいる新しい仲間には大きな期待を抱いています。新しい力を中心に未来の富士情報を創っていきたいと考えています。
 変化という観点では皆さんは非常に適任です。正常な変化を進めて行くためには常識を盲信するのではなく周りの状況をよく理解し、本質を見抜き次のうち手を生み続けていく必要があります。皆さんの先輩が育ったバブル崩壊前では先例踏襲、事なかれ主義が多くまかり通っていました。しかし皆さんが生まれた1988年頃からは、それまで常識だったことがことごとく否定され続け大企業すら継続困難な状況に至り現在に至っています。私は皆さんが常識、先例だけに固執せずに常に中立的な視点で状況を受け入れ、考えるようになってもらいたいと願っています。
 ・「考える」こと
 視点、価値観が定まれば変化するために最も重要な原動力は「考える」ということに尽きると思います。ぎりぎりまで考えて実行することで、より良い変化を生み出せます。「考える」ことの生産性は無限大です。そのためには多くの知識や経験が必要になります。仕事の面でも人間性の面でも多くの知識や経験を吸収して成長してもらいたいと考えています。また、「考える」時間を最大限確保するためには実行を素早く、確実に行う必要があります。皆さんはまず実務を試行錯誤しながら身につけていくことになります。実務を身につける上で是非考える時間をおおいに確保できるようプログラミングやドキュメント作成など実行の力を身につけるよう意識して下さい。
 今朝テレビで岡野雅行さんという金型加工業の社長さんがインタビューに答えていました。岡野さんは中学卒業以降技術を磨き続け、痛くない注射針やNASAからの受注で有名になりました。インタビューでキーワード一つを選んだときに「とことん考える」とおっしゃいました。職人さんなので「技術」と言うのかと漠然と思っていました。予想外でした。どのような立場、職種でも変化を創り、リードするためには技術も当然必要ですが「考える」ことが最も重要なのだと認識を改めました。当社でもすべての社員に対して「考える」ように働きかけていきたいと考えています。
 ・三つの“3”
 私が大学に入学したときのオリエンテーションで、教授から「3日、3月、3年」の三つの“3”という話を聞きました。「3日」はいわゆる三日坊主。「3月」は大学生などに見られる五月病。少し慣れたときにこれでよかったのかと考えるときがあります。「3年」は仕事や職場に慣れてきて一人前の仕事ができるようになるとまた悩むときがあり、これらの3を乗り越えて初めて真価が問われると言われました。そのときよりも社会人になってからこの三つの3がとても重要だと感じました。もう一つ“3”を加えるなら30歳という年齢です。この年になると仕事も一人前以上にできますし、すこし余裕も出てきます。まわりの人や後輩に気を配りながらフォローや指導をする必要があります。それによってその先の道も開けてきます。
 ・三つのキーワード
 日頃社員に「知る」と「縁」と「感謝」の三つのキーワードの話をしています。
 「知る」に関連して「無知の知」と「足るを知る」いうことばがあります。「無知の知」は自分が知らないのを知るのが大切だということ。「足るを知る」は自分なりの満足を知るという意味です。背伸びをしたり他人を羨むよりも自分なりの幸せを見つめなおしてください。自分の状況を認識することで次のステップが開けると思います。
 次に「縁」を大切にしてください。私自身も「縁」に支えられて今日があると考えています。皆さんが富士情報に入社されたのも「縁」ですし、これから先もいろいろな「縁」があると思います。この先皆さんはいろいろな出会いがあります。その中で「縁」に気付いてください。「縁」はチャンスです。その「縁」を生かすためには「縁」を好きになることです。自分が選んだ仕事であり、会社ですから、仕事を好きになり、会社を好きになっていただきたいと思います。
 最後に「感謝」することを忘れないでください。皆さんはこれまでいろいろな人にお世話になってきました。これから先もいろいろな人にお世話になると思います。そのときに必ず感謝の気持ちを言葉で伝えることが大切です。
 皆さんが富士情報を選んでいただいたことに感謝し、皆さんとともに富士情報の未来への道を切り開いて行きたいと思います。