2011年が始まりました。今年の干支は「辛卯(かのとう)」です。「辛」は新しい世代が生まれることを表し、「卯」は「茂る」つまり、草木が地面をおおう状態を表します。富士情報がこれまで溜め込んでいた、経験や力を一気に出しつくし、新しい富士情報へと変革していく年にしていきたいと考えています。
今年の指針は「越える超える」としました。同じ音で、似たような意味で使いますが、この違いを意識していきたいと考えています。「越える」は物理的なものを越える。「超える」ある人為的な基準を超える、ということのようです。具体的には、「越える」は山を越える、境界を越える、正午を越える、「超える」は、期待を超える、定員を超える、限界を超える、という使い方をします。
当社はエントリ事業部、システム事業部共にお客様にサービスを提供し、お客様の満足の度合いによって評価していただいております。いま評価していただき、仕事を得ているのはお客様の期待に「応える」ことができていた結果です。厳しくなっていく環境の中、「お客様に選んでいただける会社」でなければ継続は困難です。富士情報の「超える」目標も「是非富士情報にお願いしたい」と支持して頂くことです。そのためには日頃の仕事の中でお客様の期待を「超え」、より高い満足をしていただかなければいけません。
お客様の期待を「超える」ために一つ一つの課題を「越え」て行かなければなりません。課題の「越え」方も単に課題を「越える」場合と、大きな目標(=お客様の期待や自分の限界)を「超える」ことをイメージして「越える」のでは全くプロセスも、結果も、方向性も異なってきます。
一つ実例を挙げてみたいと思います。プロゴルファーの石川遼選手が小学校6年生のときに書いた「将来の自分」という作文を引用します。彼の作文で「超える」べき目標は作文の最後に「世界一強くて、世界一好かれる選手」とありました。そのための目標として、具体的に2、3、4、6、8年後と20歳までの「越える」べき課題を明示しています。たとえば4年後の高校一年生の「越える」べき目標は「日本アマ優勝、プロのトーナメントでも勝つ」です。そして、実際に高校一年生の2007年には史上最年少(15歳245日)のプロツアー優勝を成し遂げています。現在の活躍はご存知のとおりです。大きな「超える」目標と、具体的な「越える」目標だけではこのような偉業を達成することは出来ません。彼は作文の中で具体的に「みんなが一生懸命練習をしているなら、ぼくはその二倍、一生懸命練習をやらないとだめです。」と書いています。目の前にある課題、限られた時間の練習という課題についても「越え方」を常に考えていると伺えます。
自分の実績、才能に甘えることなく、世界一という大きな目標を目指し目の前の「越える」課題を設定しています。おそらく、この内容は作文のために思いつきで作った訳ではなく日頃から今の自分の立っている位置を確認し、先の自分をイメージしながらとことん考え抜いて小さな課題をいくつも設定し、一つ一つ「越えている」からだと思います。
このような成長は石川遼選手や一部の若者だけのものではありません。我々は一生涯成長し続けるべきだと考えています。彼は短い期間で偉業を達成しました。我々もまだまだ多くの機会や時間があります、チャンスとみて生かすか否かは本人次第です。
自分の大きな「超える」目標の設定、具体的なマイルストーン(=「越える」課題)、そして日頃の目の前にある「課題」の「越え方」がそろって、はじめて目標へ向かって進み始めるのだと思います。仕事に置き換えてみください。ただ単にと勝手に範囲を決めてしまっていないか?すぐ仕事が終わればいい、時間が過ぎればいいという考えに陥っていないか?自分の仕事はここまで、効果が無いからあきらめてしまう。まずは自分の領域を「越えて」お客様からの期待についてよく考えてみてください、本質が見えてくるはずです。そして、大きな目標や具体的な課題が明確になります。
当然急にレベルや評価が変わるということはありません。日頃の仕事の「越える」積み重ねがその人の仕事の品質を作り上げていくと考えています。自分の範囲を少しずつ広げたり、限られた時間、範囲の中でより高い質へ上げていく。こういったことを常に意識し、実践する必要があると考えています。
お客様へのサービスは会社全体で提供しています。一人ひとりの力は小さくとも、全体を合わせれば大きな力となります。今年は全員の力をあわせ「辛卯」のごととく富士情報を新しく実りのある組織にしていきたいと思います。