入社おめでとうございます。富士情報を代表して皆さんの入社を歓迎し、心からお祝い申し上げます。若く可能性のある仲間をこんなに多く迎えることができて、わくわくしています。皆さんは社会人になるにあたり希望をいだいていると思います。一方で地震に始まる一連の震災でこれまでにも増して非常に厳しい環境ですので不安でいっぱいだと思います。皆さんを迎えるにあたっていくつか話をさせて頂きたいと思います。
当社は38年間よいお客様、社員に恵まれ、現在非常に厳しい環境でも健全な経営をしてきています。より高レベルのサービスを創るべく事業構造の改革を推進しています。事業は継承と創造を繰り返し、織り交ぜながら継続します。いまは創造つまり変化に対する要求が非常に高くなってきています。3月の震災でも明白になりましたが、今まさに変化、危機への対応能力が問われています。この数年、創造にウェイトをシフトしながら推進しています。
当社は特に変化に対応できる組織を作ろうとしています。いまここにいます新しい仲間に対して大きな期待をいだいており、新しい力を中心に未来の富士情報を創っていきたいと思います。
皆さんの先輩が育ったバブル崩壊前では先例踏襲、事なかれ主義が多くまかり通っていました。先例踏襲ばかりでは変化には対応できない社会となりました。皆さんが生まれたバブル以降は、それまでの常識だったことが通用しなくなり大企業すら継続困難な状況に至り現在に至っています。私は皆さんがこれから、常識、先例だけに固執せずに常に客観的な視点で状況を受け入れ、「考え」てもらいたいと切に願っています。
・学び考える
生き物が活動、成長するのに栄養が必要なように、考え行動するためには経験、知識が必要になります。
リンゴが木から落ちるのをみて万有引力を発見したことで有名なニュートン。彼は古典力学の体系を確立し大きな実績を残しました。彼は知人への手紙に「私がより遠くを見ることができたとしたら、それは単に私が巨人の肩に乗っていたからです。」と書いています。私たちの身の回りにある知識、知見は、先人の努力の結晶の塊です。ニュートンという偉大な科学者でさえ、先人の知恵、知見に対して大いなる敬意を払い自らの実績に対しては非常に謙虚な評価をしています。このような姿勢だったから、偉大な成果を残せたのだと思います。我々も知識、先人の知恵に敬意をはらい吸収することで、活用の重みが変わってくると思います。
皆さんはこれまで、学校で学習を行ってきたと思います。具体的には知識の習得です。これから社会で大きく成長し活躍するための基礎体力作りだといえます。これからはこれらの知識の学習だけではなく、知識を活かす実践的な学習を行い、大いに成長し成果を発揮してもらいたいと願っています。
「学ぶ」というのは二つの意味が有ります。一つは知識を習得する、先ほどの学校などでの「学ぶ」。もう一つは「まねる」を意味する「まねぶ」です。
実践的に学び成長するためにはこの二つが重要だと考えています。知識だけでは「文字の問屋」「飯食う字引」となってしまいますし、「まねる」だけでは物事を体系的にすばやく学習することも困難で先を見通せず、経験依存になってしまいます。
これから社会人として成長するために「まねる」を意識してください。では何を「まねる」のでしょうか?皆さんが、尊敬できるひとはだれですか?できるだけ多く身近な人たちに興味を持ってみてください。尊敬する人のどこが具体的に良いですか?振る舞い、考え方、行動力。色々あると思います。ひとりに全てが備わっているとは限りません。多くの人の良いところをたくさん見つけ吸収してください。逆に尊敬できない人はどれくらいいますか?悪い点は反面教師になります。様々な感性をフルに活用し「学び」「成長」してください。
学んだ事柄を実際の業務に生かすためには「考え」「行動」することになります。「考える」ことの可能性は無限です。「考える」トレーニングを日々行うようにしてください。学んだり、考えたりする時間を最大限確保するよう意識してください。具体的には行動を素早く、確実に行う必要があります。皆さんはまず仕事に関して先輩から指導を受け、試行錯誤しながら身につけていくことになります。プログラム開発やドキュメント作製など実行のための基礎となる力を身につけるよう意識して下さい。
富士情報は38年の歴史の中で多くのお客様、先輩の「縁」に恵まれてきました。皆さんが富士情報を選んでいただいたことに感謝し、皆さんとともに震災の苦境を乗り越え、富士情報の未来への道を切り開いて行きたいと思います。