去る8月4日、東海テレビの番組で視聴者プレゼントの岩手県産ひとめぼれ10キロの当選者として「怪しいお米セシウムさん」「汚染されたお米セシウムさん」などの架空の名前をテロップ表示する事故が起きました。原因は「当選者が決定される前に作成したリハーサル用の仮テロップが、操作ミスで送出されたため」とのことでした。震災の傷跡が深く、被災地の復興もこれからで、まだ多くの方が大変に苦労している状況です。非常に不謹慎であり、あってはならない事故であると思います。
この事故は起こるべくして起きたことだと想像しています。普段から当事者は、困っている人や、自分と違う立場の人に対して横柄で揶揄するような自己中心的な気持ちや言動があったのだと思います。また、報道という公共性が高い仕事の本質を全く理解せずに、これらの言動を反省することなく抑制が効いていなかったと思います。これまでは、運よく大きな問題が起きずに仕事を続けてこられただけではないでしょうか?
今年はtwitterで似たようなトラブルがいくつもありました。大学生のカンニング、飲酒運転、普段の行動がほんの一言(つぶやき)で公になり、問題となりました。これらは見つからなければ咎められず、本人はもしかしたら、運が悪かったくらいにしか考えていないかもしれません。しかし、日頃の考え方、行動を変えない限り、twitter以外の別な側面で痛い思いをすることになると思います。
我々の日常でも、このような反社会的な言動でなくても、似たようなことがあります。内心は後ろ向きな気持ちがあるにも関わらず、表面的にうまく取り繕ってしまうようなことです。例えば仕事において、楽をして成果を上げようと、「効率化」「工数の削減」という言い訳をし、後ろ向きな仕事をしてしまっていることがあるかもしれません。表裏の違いが大きく、周囲への取り繕いがあると、後ろ向きな気持ちが相手に伝わってしまっていたり、仕事においては結果的に品質などに影響が出てしまうと思います。
日常生活においても、仕事においても、表裏を使い分けるべきではないと思います。卑屈な気持ちや、揶揄する心が裏表の差を作ってしまっています。常に周囲に対して謙虚な気持ちで接し、仕事では本質を理解し、実力を身につけ、ありのままの実力をお客様に評価していただくことが大切です。
これから厳しい経済環境が続きますが、このような状況では謙虚な心の態度が一番大切だと考えています。