2016年05月 熊本地震

2016年05月 熊本地震

 震度7の揺れを2回も記録した熊本地震から1か月が過ぎました。まだ1万人以上の方が避難生活を強いられていると報道がありました。余震が減ってきており地震自体は少し落ち着いているようですが、これから長い復興が待っており大変気の毒に思います。
 1995年1月17日には同じ直下型の阪神淡路大震災がありました。阪神淡路大震災の時には最大31万人の方が避難されたそうです。今回の熊本地震では18万人と阪神淡路大震災に匹敵するような被害と言えます。阪神淡路大震災は震災のあと、ガスや水道の復旧まで3カ月かかりました。仮設住宅が完成したのはその年の8月で、全ての復興住宅が完成したのは1999年の5月、その年の12月には地震発生から5年近い時を経て仮設住宅が全て解除になりました。町の復興はさらに時間を要し、兵庫県内の20地区で行われた区画整理事業は、地震発生から16年余りを経て2011年に終わりました。熊本の復興も同様に長い時間がかかります。これからも関心を持っていきたいと思います。
 当社では大きな震災があると、自発的に職場で募金が始まり各職場を募金箱が巡ります。本当に良い文化だと思っています。富士情報に係わる皆さんが震災に会われた方々を気の毒に思い、少しでも力になるよう一人ひとりの厚意が凝縮された非常に貴重な寄附です。この被災された方に対する共感と寄附への行動は非常に重要だと考えています。共感という本質的な感情があるから他人と社会生活を送ることができ、共感と社会生活の積み重ねで道徳観が醸成され社会ルールが確立し、より安定した大きな社会を築くことが出来ます。しかしながら、いったん社会のルールが出来上がってしまうと、表面的なルールだけに従い大事な共感を忘れてしまうケースが多々あります。
 最近では都知事の政治資金に係わる問題、三菱自動車の燃費偽装問題など、ルールすら逸脱し最終的には存続を脅かすような問題になっています。政治家には政治目的実現のために政治資金に関する優遇が許されています。自動車燃費に関しても、自動車ユーザーのことを考えたら偽装に手を染めるハズは無いのですが低燃費競争によるプレッシャーを理由に偽装に手を染めてしまったようです。いずれの場合も都民、自動車ユーザーを無視し、自分や所属組織の利益を優先しルールを逸脱してしまいました。
 「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる。」とよく言いますが、自分は変わらずルールを変えてしまった結果です。本質を見失わず、共感する気持ちを大事に自ら行動し成長する文化を大事にしていきたいと思います。