2017年02月 PPAP

2017年02月 PPAP

 ピコ太郎の『ペンパイナッポーアッポーペン』(PPAP)を歌う動画の再生回数が1億回を超えるなど話題になりました。乗りの良いリズムと、耳に残るペンパイナッポーアッポーペンというフレーズが非常に印象的でした。PPAPは多くの人が踊りをまねてYoutubeにアップロードしていて、トランプ大統領の孫娘アラベラローズちゃんも動画をアップロードしています。なんでこんなに印象に残るのか非常に気になっていました。11世紀のペルシアにウマル・ハイヤームという詩人がいたそうです。この詩人は「ルバイヤート」という詩集を作りました。この詩集は4行詩という詩の形式を使用しています。これは4行の詩で構成され、行末の韻の踏み方が決められています。そしてルバイヤートで使われている韻の形式が「aaba」だそうです。まさにペンパイナッポーアッポーペンと同じです。これを知ったとき、PPAPが広まったのはオリジナリティもありますが、もともと共感できるポイント「aaba」をついているのであんなに耳に残り、多くの人が楽しめたのだと理解しました。ウマル・ハイヤームは詩人ですが、数学者でもあり天文学者でもあります。数学では三次方程式を幾何学的に解く方法を提示しました、三次方程式を代数的に解いたのは16世紀のヨーロッパでした。また天文に関しても高度な精度で1年の長さを観測し5000年に1日の誤差という非常に高い精度の暦法です。一方、現在我々が使用しているグレゴリオ暦は1582年に制定され3330年に1日の誤差という精度です。
 このハイヤームの国ペルシアは現在のイランに当たります。先日アメリカ大統領令で入国が禁じられた国の一つがイランです。この大統領令にはシリコンバレーを中心とするIT企業が異を唱えています。この乱暴な大統領令がIT企業にとって非常に重い足かせになるだけでなく、結果としてアメリカの国力をそぐことになるのは火を見るよりも明らかです。
 我々は世界のどこかで先人が築いた知識、知恵を活用し社会を進歩させています。近頃○×△ファーストというフレーズをよく耳にしますが、絶対的に優位な人、集団はありません。互いに依存し、共栄しています。今年の年頭に「三方よし」を取り上げましたが、この観点からは違和感を感じます。○×△ファーストは分かりやすい概念ですが非常に難しい考えだと思います。
 山梨の丸藤葡萄酒工業株式会社にはルバイヤートという名前のワインがあります。この詩集から名前を取ったそうです。当社の40周年の記念に使った2種類のワインのうちの一つです。