社長 渡辺直企
明けましておめでとうございます。2018年から2019年にかけて国際情勢や経済指標が大きく動き、経済環境的には潮目を迎えたように見られます。この流れが我々の生活に影響してくるには少し時間がかかると思います。経済環境は不透明ですが、IoT、人工知能、ロボットなど仕事を取り巻く環境は日々進歩が進み、生産性や品質の向上、そして人の仕事を代替し始めています。このような環境の中、変わらず従来どおり頑張っているというだけでは、相対的に衰退していることになってしまいます。これらの新しい技術を使いこなすか、新しい技術でも容易に侵食できないレベルに向かうか、どちらかが必要になります。
野村総合研究所によると、「芸術、歴史学・考古学、哲学・神学など抽象的な概念を整理・創出するための知識が要求される職業」や「他者との協調や、他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業」は、人工知能やロボットで置き換えるのが難しい職業になるそうです。一方で、「特別な知識やスキルを必要としない職業」および「データ分析で体系化可能な職業」は、今後に人工知能やロボットで置き換えられる可能性があるとのことです。
当社も「究極の情報サービス」を掲げお客様のノウハウや暗黙知をサービスとして実現できるよう進めて来ました。今後も一層理念の実現に向けて進んでいきたいと考えています。
2018年は各部門とも数年に一度と言えるような大きな選択や行動をスタートしました。2019年はこの動きを、より本格的に軌道に乗せて実態を伴った変革を実現していきたいと考えています。この動きの中で漫然と頑張る、変えていこう、というだけでは結果を出していくのは困難です。そこで今年の指針を「Chance Challenge Change with Vision.」とさせて頂きました。検索してみると「Chance Challenge Change」というフレーズは結構使われていて、「チャンスを見つけて、積極的にチャレンジして変えていこう!」といった意味合いで使われています。今年の指針はこれに「with Vision.」をつけることで、常に理念を意識したうえでChance Challenge Changeを実践していくことになります。
Chanceというと偶然訪れる機会、好機などのニュアンスが強くChance自体は、目の前に偶然やってくるものと考えがちです。指針のChanceとは偶然の機会というよりも、鍛錬そのものであり、自分自身にとっての課題の発見ということになります。つまり、Visionと現時点の自分との違いを認識し、少しでもVisionに近づくための課題を見つけることがChanceとなります。Visionを意識し続けることで困難な課題にChallengeし続けることが可能になり、長い間困難な課題(Chance)にChallengeし続けることで大きく変わる(Change)ことが初めて可能になります。
「究極の鍛錬」という本の中で究極の鍛錬の特徴として「あまり面白くない」「精神的に苦痛」などがあります。これらの鍛錬をフィードバックを得ながら継続的に徐々に段階を上げていくことで、その道のプロフェッショナルになれると言われています。これが俗にいう「一万時間の法則」であり継続することが非常に重要です。
元ニューヨークヤンキースの松井秀喜選手が星稜高校時代に野球部の山下監督からおくられた心理学者ウィリアム・ジェイムズの言葉で「態度が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。」という言葉があります。これは人生というより大きな視点での取り組み方を説いた言葉です。今年の指針は仕事、技術の向上に対する目標ですが、考え方としては非常に近いと思います。
実力さえつけば偶然やってくるChanceも確実に自分の手中に収めることが可能になります。皆さんの「Chance Challenge Change with Vision.」を結集し、会社を大きく変えていきたいと考えています。