日本健康会議は平成31年2月21日付けで「健康経営優良法人2019」を発表しました。3回目となる今回は、大規模法人部門に820法人、中小規模法人部門に2503法人が認定されました。この制度は経済産業省が健康経営の普及促進に向けて、次世代ヘルスケア産業協議会健康投資ワーキンググループが設計している「健康経営優良法人認定制度」に基づくものです。当社も制度開始から申請していて、これまでフィードバックを受けながら制度、活動の充実に取り組んできました。今回初めて中小規模法人部門で認定を受けることができました。中小企業法人として全国で2053法人が認定を受けていますが、東京都では193法人、山梨県では4法人が認定を受けています。東京都では41.5万の企業がありますが、個人経営を除くと24.9万法人ですので0.0775%の割合ということになります。
個人の健康は自己責任という考え方もあります。若い時には健康を意識しなくても問題があまりありませんが、年齢を重ねるにつれて生活習慣病など疾患に至らなくても問題を抱えることが多くなります。株式会社JMDCが健診データ・レセプトデータから作成した予測モデル(2014年)では、男性は40代半ば、女性は50代前半から生活習慣病をはじめとする疾病のリスクが急増し、それに伴って医療費も急激に増加する傾向にあるとのことです。当社も社歴が長くなり平均年齢も上がりました。健康診断のアウトソーシング等の健康関係の仕事に関わっていることもあり、認定を受けることにしました。
中川恵一・東京大学医学部付属病院放射線治療部門長によると、医者から言われたことを理解するのが難しいと考えている人の割合を調べると、日本は44%に達するのに比べ、欧州連合(EU)の8カ国の平均は15%だそうです。検診の重要性をはじめ、保健への理解度を示すヘルスリテラシーで、日本は調査対象国のうちで最低に位置していて、学校教育の現場で体育が重視される一方、保健にはほとんど目を向けてこなかったことが影響しているとのことで、我々は健康に関する知識がまだ足りません。
日本人の死亡要因でもっとも多いのが「がん」であることはよく知られていますが、国立がん研究センターによりますと、年間の患者数が2016年中に100万人を突破するとみられるなか、地域によって特定の部位のがんのかかりやすさや死亡率に差があるとのことです。死亡率で全国平均を大きく超えたのは青森県と佐賀県です。弘前大学の松坂方士准教授によると、青森県は検診で要精密検査となった人の再受診率が低い傾向にあり、佐賀県では佐賀県医療センター好生館の佐藤清治副館長は、診断時点で既に進行した症例が全国平均より多く、死亡率の高さにつながっている可能性があると分析しています。乳がんは東京都が突出し、死亡率も全国3位です。国立がん研究センターの松田智大・がん登録センター室長は出産や授乳の経験がない女性では乳がんになるリスクが高まるとされている。東京都は出生率が全国で最も低く、乳がんの罹患率を引き上げる要因の一つになっていると指摘しています。ちなみに2015年の出生率は全国が1.46ですが、東京都は1.17と最下位でした。
今後は教育や組織の属性などを意識した働きかけを心がけていきたいと考えています。