10月1日から消費税が10%に引き上げられます。財務省によりますと「安定的な財源を確保し、社会保障制度を次世代に引き継ぎ、全世代型に転換するため、消費税率の引上げが必要」とのことです。また、所得の低い方々への配慮の観点から、飲食料品(お酒・外食を除く)等の購入に係る税率については8%とする軽減税率制度が実施されます。同じ飲食料品でもイートインスペースで食事をすると軽減税率が適用されなくなり、おまけ付きの菓子「食玩」では税抜き価格が1万円以下で、価格のうち食品の割合が3分の2以上なら軽減税率が適用され、みりんは酒税法で酒類に該当するので適用外になるなど多くのケースがあります。国税庁のHPにはこのような個別対応事例として問答が90もあり、非常に複雑な税制になっているのが分かります。複雑な軽減税率へ対応するためには対応するレジが必要になりますが、9月末の納品に間に合わないケースも出ているそうです。
さらにキャッシュレス化を促進したい経済産業省は2020年6月までの9か月間限定で、キャッシュレス決済に伴う「ポイント還元制度」を予定しています。中小店舗では5%のポイント還元があり、フランチャイズ加盟店では2%、大企業は0%のポイント還元となります。5%の差は大きいので、小売業では資本金を5千万以下に減らして「中小企業」になる事例が増えているようです。
今回の消費増税では駆け込み需要の反動減を抑える意味も含めてこのように複雑な制度になっており、軽減税率の有無と組み合わせると消費税は5通りにもなります。
2014年の増税時には直前の2014年3月18日からの7日間に家庭用耐久財は2013年の3倍超の売上となり、多くの駆け込み需要がありました。今回は前回ほど見られないそうですが、薄型テレビなど一部の商品には見られるそうです。
増税前に駆け込み購入をしたほうが必ず得するわけでもありません。今回はポイント還元がありますし、2014年の増税時には増税後に需要減のため電化製品の価格が下がりました。家電製品は毎年新製品が発表されます。発表時には高かった価格もモデルチェンジ近くなると4割も安くなることがあります。「限定」などセールのコピーにつられる心理があります。不要なものを買ったときの後悔と買わなかったときの後悔を比較すると後者の方が大きいそうです。このような機会に財布のひもが緩んでしまう傾向があるので注意が必要です。必要なものは必要な時に購入するよう心がけていきたいと思います。
会社の運営でも正しく判断するため年度末の駆け込みを少しでも減らすよう心がけています。本当に必要なものであれば期初、期中を問わず必要な時に適切な時間検討をおこない、より良い判断を行っていきたいと思います。