日産自動車が9月にマイナーチェンジした「スカイライン」には「ProPILOT2.0」が実装されます。「ProPILOT2.0」では高速道路でのナビ連動ルート走行中、同一車線走行時に限ってステアリングから手を放した状態でのハンズオフ走行が可能となります。3D高精度地図データと7個の光学式カメラ、5個のミリ波レーダー、12個の超音波ソナーから格段に正確なステアイング操作を実現していて、精度は前後方向で1m、左右方向に至っては5cm程度とのことです。凄い時代になったと実感します。私が最初に所有した車はマニュアル車でしたがクルーズコントロールが搭載されていました。便利でよく使っていましたが、雨でタイヤが空転すると急に加速するなど神経を使うこともありました。最近の車には前走車との車間距離を維持しながら追従走行を支援するACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)となり非常に楽になりました。
警視庁が2017年に発生した交通事故の発生件数は472,165件で前年に比べると5.4%、27,036件の減少、特に車両同士の追突は9.1%、16,722件の減少となり、減少分全体の61.9%を占めるそうです。「自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)の普及が奏功しているとみられる」とのことです。例えばトヨタ自動車の調べでは、自動ブレーキとペダル踏み間違い対応装置を搭載するプリウスは、非搭載車に対して追突事故の発生率が約9割低減しています。自動ブレーキの搭載率は乗用車メーカーの販売全体に占める割合は2017年で6割程度です。経済産業省と国土交通省は、2020年までに新車乗用車の搭載率を9割以上とすることを目標にして取り組んできました。国際欧州経済委員会(ECE)が2019年2月12日、日本や欧州連合(EU)など40カ国・地域で「衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)」の導入を義務付ける規則の原案に合意したと発表しました。自動ブレーキの義務化については、2020年はじめに運用開始予定となっています。今後一層事故が減ることが期待できます。
JAFが実施したアンケートによると、約半数が自動ブレーキの機能を過信しているそうです。「ニュースやCMなどで話題の『自動ブレーキ』や『ぶつからない車』と聞いて、どのような装置を想像するか」とたずねたところ、「衝突の危険があるときに、音や警告灯でその危険を促し、車が自動的にブレーキをかけて衝突を回避したり被害を軽減したりする装置」という正しい選択肢を選んだのは55%でした。40%は「前方の車や障害物などに対し、車が自動的にブレーキをかけて停止してくれる装置」を選び、残りの5%も自動ブレーキの機能を過信している回答を選択。回答者の45%が間違って理解していることが分かりました。
速度、雪や坂など道の状況、突然の飛び出しなど自動ブレーキが有効に機能しないことを良く理解しておく必要があります。「ProPILOT2.0」はあくまでも運転支援、トンネル内に入った時や急カーブ、合流地点などの手前、対面通行といった状況下では手放し運転はできません。日産によれば、手放し運転中にその状況に遭遇した場合は、その都度、車両側から告知があってキャンセルされるそうです。このような場合に心の準備ができていないと、パニックとなり危険になってしまう可能性もあります。車の高機能化は想像以上に早く、すべての機能を理解し、リスクを認識して使いこなすのは非常に難しいと思います。暫くは機械を過信せず自制して付き合っていきたいと思います。