MLBエンジェルス大谷翔平選手が大活躍です。オールスターゲームの前日に開催されたホームランダービーに日本人として初めて出場しました。惜しくも初戦敗退しましたが、大接戦で大いに盛り上がりました。翌日のオールスターゲームにもオールスター史上初のリアル二刀流の「1番・指名打者」兼先発投で出場し、勝利投手になりました。7月20日時点で投手で4勝、打者で34本塁打と単独首位。毎朝、大谷選手のホームラン速報を楽しみにしている人が多くいるようです。この活躍ぶりに野球漫画「MAJOR」などで知られる満田拓也さんが、『よく「漫画の世界だ」「いや漫画でこんな選手を描いたら担当編集にボツにされる」・・・等々言われますが正(まさ)にその通り。大谷選手の異次元の活躍は創作物じゃとても太刀打ちできません(笑)。』と言うように想像を超えた異次元の活躍だと思います。大谷選手は3年上の菊池雄星選手の活躍に憧れ、花巻東高校に入学しました。入学時点で球速が130km/h中盤出ていたそうです。花巻東高校の佐々木監督は「試合で勝つことを考えれば、喉から手が出るほど試合で使いたかったというのが本音」と語っています。入学時既に190cm近い身長だった大谷選手は検査で成長過程であることが判明したため、「体の成長やピッチャーとしての成長、そして人間的な成長が、それぞれにゆっくりとした曲線を描きながら上がっていくように、体と心の育成をやっていこうと最初に決めました」と佐々木監督は育成のプランを考えたそうです。佐々木監督は大谷選手に入学直後に「いずれ160km/hが出るよ」と語ったそうです。花巻東高校には「目標設定シート」があり入学後すぐに書くものです。佐々木監督は経営の考え方を取り入れていて、人材育成のシステムや、ビジネス書を参考に作ったものです。正方形を9分割し真ん中に最終目標、周りの8マスには最終目標を達成するための要素、さらに各要素に対して同じような9マスで具体的な目標を設定します。大谷選手は真ん中には「ドラフト18球団」と書き込みました。次の要素の一つに「スピード160km/h」と書きました。本人は「最初は160km/hは無理な数字なんじゃないかと思っていました。」と語っていますが、周りに「行ける」といわれその気になったそうです。佐々木監督は160km/hと伝えたあと「まずい」と感じたそうです。目指したものよりも低い値にしか達成出来ないと経験上知っていたためです。大谷選手は監督に言われる前に別紙に「163km/h」と書いていたそうです。そして、高校3年の夏に高校生最速の160km/hを記録しました。高校での公式戦が終わり母親と進路について会話で、母親から「プロに入って両方やらせてもらえないのかね?」と聞かれました。「まさかそんなの無理でしょ」と大谷選手は答えたそうです。その後、メジャー挑戦を表明します。しかし、ドラフトで日本ハムファイターズが指名し交渉が始まります。当初は可能性「ゼロ」と語っていましたが、3回目の交渉で日ハムが「二刀流」の話をしたそうです。大谷選手は「僕にはない画期的なアイデア」といい、「もしアメリカに行っていたら、おそらくバッティングの方はやっていなかったでしょうし」と語っています。花巻東高校の佐々木監督は選手への言葉かけを深く考えていたそうです。大谷選手は「先入観は可能を不可能にする」という言葉をはっきりと覚えていると言います。大谷選手の能力が優れていることは明確ですが、周囲の意見に耳を傾け柔軟に成長してきた結果が今の活躍に結びついていると思います。変化が多い時代です。先入観を持つと本質的なものが見えなくなる可能性があります。柔軟に周りの状況に対応し続けていきたいと思います。