2022年06月 IEサポート終了

2022年06月 IEサポート終了

 6月15日にマイクロソフト社のブラウザInternet Explorer(IE)のWIndows10向けのサポートが終了しました。調布市のデジタル行政推進課の職員はテレビの取材に対し「最初の感想として何で今、急にというのが正直なところではあった。期間の調整や費用面の調整に苦慮しているところ」とコメントしていました。調布市では半分ほどしかシステムを更新できていなかったとのことです。マイクロソフト社は2015年にEdgeを発表してから、速度やセキュリティレベルの高さを理由にEdgeへ移行するよう推奨してきました。1年前からIEのサポート終了を告知していました。Edgeには「IEモード」が実装されていますので実質的には、すぐに大問題となるようなことはなさそうです。しかし「IEモード」も2029年までのサポートとなっていますので早く対策する必要があります。私は他のブラウザを使っていますのであまり注意していませんでした。稀にIEを必須とするサイトもあったため年に数回使用せざるを得ませんでした。StatCounterの調査では2022年2月時点で国内において2.62%です。1月の3.53%よりは減っていますが、世界シェアは1.13%ですので、国内は倍以上のシェアがあります。まだまだ古い仕組みを活用しているケースが多いようです。
 2025年には「昭和100年問題」があります。「2000年問題」の昭和版と言えます。昭和の頃はシステム資源が乏しく、数字二桁で定義していました。年号が変わった際に昭和64年を平成元年と変換するなどして対応してきたシステムが少なからずありました。このようなシステムが2025年に昭和00年となってしまう問題です。これらのシステムは当然昭和の時代に開発されていますので、完成後37年も経過しているので、情報も関与したエンジニアも少ないので2000年問題のときのように直接対応することは難しく、システムを置き換えるなどするほうが良いと思います。
 2038年も問題があります。OSの一種であるUNIXはUNIX時間というシステム上の時間表現を使っています。これは協定世界時(UTC)の1970年1月1日0時0分0秒からの経過秒数で表現したものです。この秒数は符号付きの32ビットで表現され、2,147,483,647までしかカウントできません。これが日本標準時では2038年1月19日12時14分7秒となります。この時間を過ぎるとマイナスとなってしまいます。UNIXをベースにしたシステムはアップルのiOS、Androidなどがありますが、我々が手にする最近の機器は64ビット対応しているので問題はありません。2038年まで半分経過した2004年1月11日にこれが原因で複数の問題が発生しました。23行の銀行でATM(現金自動預払機)が一部の取引で正常に利用できなくなりました。これは、時間を平均する際、2つ以上の時間を足し合わせ、その後除算しますが、足し合わせる際に桁あふれを発生させたのが原因です。またKDDIは1カウントを0.5秒としていたため同様の問題を発生させました。他にはルーターなど他の機器との通信に関して問題が起こることが多かったようです。90年代以降多くの機器にUNIXをベースとする組み込み系のOSが多く活用され、これらの問題を抱えて今も稼働しています。時間の猶予はありますが、よく情報を見極めながら準備していきたいと思います。