2024年02月 うるう年の歴史

2024年02月 うるう年の歴史

 今年はうるう年となり2月は1日多い29日となります。昔プログラムで日数計算を行うときに、良くうるう年の計算(西暦年が4で割り切れる年はうるう年、例外として100で割り切れて400で割り切れない年は平年)の関数を作ったことを思い出します。うるう年は地球の公転周期が365日ではなく、約365.24219日かかることに起因しほぼ前述のように四年に一度発生します。現在我々が使用しているグレゴリオ暦は紀元前8世紀に制定されたローマ暦が元になっています。ローマ暦は3月が新年で、10ヶ月で構成され、冬の間は数えない暦だったそうです。その後のヌマ暦で1月と2月を追加して12ヶ月となりました。ヌマ暦では太陰太陽暦に似ていて1年が355日でうるう月を用いることで太陽年に近づけていました。2年に一度2月を23日か24日として、27日のうるう月を13番目の月として追加していましたが、混乱を招きユリウス・カエサルが紀元前45年にユリウス暦を導入しました。これは1年365日として4年に一度うるう年とするほぼグレゴリオ暦に近い暦です。前出の計算の平年の例外が考慮されておらず128年に一日ずれてしまいます。ユリウス暦はその後使い続けられましたが、長い間にこのずれが累積したため、1582年にグレゴリウス暦が導入されました。教会行事が10月に少ないという理由から1582年10月4日(木)の翌日を、1582年10月15日(金)とし、ユリウス暦で入れ過ぎたうるう年の分だけ日付を飛ばしたそうです。2月だけ日数が少ないのも、うるう日が2月に挿入されるのもこのような経緯があったためです。
 「うるう」といえば「うるう秒」もあります。標準時刻は高精度な原子時計に基づき決められています。一秒は一日(=地球の自転)の86,400分の一と定義されていますが、地球の自転は不規則なので標準時刻とのずれが生じ、ずれを0.9秒以内に補正するため1972年に導入されました。これまで27回実施されました。うるう秒による調整は、12月か6月の末日の最後の秒(世界標準時)でおこなわれ、それでも調整しきれない場合には3月か9月の末日の最後の秒(世界標準時)でおこなわれます。世界標準時と日本標準時は9時間時差がありますので、日本ではうるう秒を8:59:59のあとに8:59:60として追加します。多くのコンピュータはUNIX timeを使用しています。UNIX timeは1970年1月1日からの経過秒数で表したものです。うるう秒への対応は2009年1月1日の場合08::59:59が1230767999、08::59:60が1230768000、09:00:00が1230768000となり、60秒(うるう秒)と0秒が同じカウントになります。PCのOSで圧倒的なシェアを持つWindowsでは、うるう秒は無視します。つまり8:59:60の時点で9:00:00と一秒早く9時となり、以降一秒早い時間が継続します。多くの機器はネットワーク上の時計サーバー(NTP:Network Time Protocol)を用いて時間の同期をとるので、長期的にはこれらの誤差は解消されます。うるう秒の問題で2015年にTwitter・Instagram・Pinterest・Netflix・Amazonが、2016年にCloudflareが障害に見舞われています。
 地球の自転は長期的には減速傾向ですが、不規則かつ、人手を介して対応せざるを得ず、問題点が指摘されていました。このような背景から昨年12月11日に国際電気通信連合の会議において廃止が採択されました。
 心理学者のチクセントミハイは「何が人生を生きるに値するものとするか」を追求し時間が忘れるほど集中すること、つまりフロー体験が幸せの源であると語っています。フロー体験を得るためには、難易度の高いタスクに、自分自身が高いスキルを持って実行することが大事だと言っています。有意義な時間を過ごすために挑戦し続けていきたいと思います。