Googleと同じAlphabet傘下の企業で自動運転車を開発しているWaymoはカリフォルニア州サンフランシスコで信頼できるテスターに限定してレベル4(運転手不要)の自動運転タクシーサービスを運行していましたが、6月に一般開放しました。現時点でWaymoはサンフランシスコで約300台の自動運転タクシーを運行していて、天候を問わず24時間運行可能、最高時速は65マイル(約104km)まで認められているそうです。Waymoは昨年10月にアリゾナ州フェニックスで一般公開していて、2都市目となります。砂漠の平坦なフェニックスと違い、坂道や霧が多いサンフランシスコでの悪条件をクリアしたことになります。サンフランシスコで公道走行試験の認可を取得してから10年越しの成果になります。8月には有料利用回数が1週間に10万回を超えたと発表がありました。Waymoはサンフランシスコで人間の運転手と比較した場合「エアバッグが作動した重大な衝突事故」は91%減、「負傷事故」は77%減、「警察が発表した事故」は54%減と安全性の高さを謳っています。
日本ではホンダが2026年に自動運転タクシーサービスの開始を目指しGMと合弁会社を設立予定でした。GM傘下の自動運転タクシー開発を行っているCruiseの人身事故の影響で設立が遅れています。2020年1月に試作機を発表しGMと共同開発していたCruise Originの開発停止が7月に発表されました。
国土交通省は6月7日、地域公共交通確保維持改善事業費補助金(自動運転社会実装推進事業)において、全国を網羅する形で約100事業の採択を発表しました。2024年5月1日時点で一般道での通年運行事業が16カ所で実施されています。これは「地域公共交通の維持・改善やドライバー不足解消」を目的としており、現時点では最高速度が40km/hまたは12km/hの比較的緩やかな条件下での事業がメインです。
愛知県では2016年から自動運転の実証実験を行っています。2024年10月からは定期運行を開始予定です。名古屋駅から4.5kmほど離れたオープンイノベーション拠点(Station Ai)までの間を運行する予定です。交通量の多い都市部における幹線道路の車速に沿った自動運転車両による定期運行は全国初の取り組みとのことです。この運行にはアメリカの自動運転ベンチャーのMay Mobilityの車両を使用する予定です。May Mobilityは2023年11月からアリゾナ州で無人の自動運転サービスを提供しています。
自動運転と言えばテスラが有名ですが、テスラのFSD(フルセルフドライビング)は運転手の監視が必要なレベル2に留まっています。運転手の監視が不要で基本的に自動運転のレベル3はホンダとメルセデス・ベンツ、BMWが販売しています。ホンダはトラフィックジャムパイロットといい高速道路の渋滞時30km/h以下でレベル3の走行が可能です。同様にメルセデス・ベンツは40mile/h(64km/h)、BMWは60km/hを上限に高速道路でのレベル3の走行が出来ます。テスラはカメラの情報をメインに長距離超音波センサーを用い自動運転を提供していますが、レベル3以上の車にはカメラ以外に超音波センサー、レーダーセンサーそして360度3Dマッピングが可能なLiDARなどを駆使して高度な自動運転を実現しています。今の時点ではこれらのセンサー類のコストが課題となっているようです。
テスラは10月10日にロボタクシー(Cybercab)の発表を予定しています。イーロン・マスク氏は「(テスラの主力車種である)モデル3の発表以来の最も重要なイベントとXに書いています。
自動運転の技術の向上と普及で、これまで以上に安全で便利な移動手段が増えるよう期待しています。