社長 渡辺直企
明けましておめでとう御座います。2025年は生成AIが普及・進化し我々の生活、仕事に大きな影響を与える様になってきました。また、生成AIの競争の激化で半導体不足、メモリ等の高騰など身近なところに影響が出始めています。当社においては各部門でそれぞれ課題に直面し取り組んできました。課題ごとに取り組みの内容、フェーズが異なりますが着実に変化し成果に近づいて来ていると思います。このような環境のなかでお客様の期待に応えるために、関わるメンバーが能力を発揮し、これまで以上に組織としての成果を出せるようにしていきたいと考えています。そこで今年の指針を「多差異 多才」としました。
世界の基準からみると日本はかなり均質な社会といわれています。また近代教育は均質な労働力を提供する強みを持っていたので、日本の工業化に大きく寄与したといわれています。サンタクララ大学が2024年に、創造的思考として一般的なふたつの課題を支援する際に生成AIが発揮する効果を調べました。オリジナリティを追求するよう指示したところ、ChatGPTを使うグループは意味的に似た傾向を示し、考え方も均質だったそうです。生成AIの学習に大量データを使って知識のネットワークをつくるということを考えると、生成AIが平均的な知識を示すことは容易に想像できます。直接的、間接的に生成AIの影響が大きくなってくる時代には均質さだけでは差別化は容易ではありません。一人ひとりの個性(差異)が重要になると思います。単純に個性を主張するのでは単なる混沌となってしまいます。「守破離」の様にまずは型を「守り」、次に型を「破る」、そして個性を型の上に築き、自分の能力を加えた新しい自分の型へ「離れる」ことで自分の才を発揮できます。このように、組織の方向性、目標を共有・理解したうえで多くの能力(才)を発揮することでより高い成果に結びつくことが可能になると考えています。
生成AIは公的にアクセス可能なインターネット上の数十億のページ、書籍、記事・論文などを用いて学習しています。これらの情報は既に生成AIが理解できる形、つまり形式知がベースになっています。現実社会では形式知だけでなく、暗黙知、つまり形式知化されていない経験、勘、直感など主観的な知識、ノウハウがあります。暗黙知によって企業、組織などの文化が醸成され、差別化の重要な要素になっています。当社では「究極の情報サービス」を目標に掲げ、関わる仕事の暗黙知を重視してサービス価値の向上に取り組んできました。一人ひとりがそれぞれの立場、異なる目線で暗黙知を意識し、組織としてまとめていくことで、これまで以上に質の向上が可能になると考えています。
1月3日にグーグルの主席エンジニアであるJaana Dogan氏が、AIコーディングツール「Claude Code」がDogan氏のチームが1年かけて開発していたシステムをわずか1時間で生成したとXでツイートしています。Claude Codeの効果は絶大で、今後も開発業務に関する生産性向上に大きく寄与していくことになると思います。ただし、前提としてClaude Codeが理解できる形、つまり形式知として論理的に完結した状態でシステムの要件を記述しClaude Codeに渡す必要があります。Dogan氏のチームは開発に一年かけましたが、その中で多くの要件を定義し、形式知として蓄積してきたはずです。この形式知がなければClaude CodeIを使用しても短時間では開発は困難だったと思います。暗黙知は人が関わる仕事すべてに存在します。多くの差異を活用して身の回りの暗黙知をより多く獲得し、集結することで多才な組織にしていきたいと考えています。
