北京オリンピックが目前に迫り、このところそれに関連した話題が新聞やテレビを賑わしています。先日女子バレーで活躍が期待されている大型エースアタッカーの栗原恵さんが出演しているテレビ番組を見ました。彼女は10代から脚光を浴びていましたが、期待されて出場したアテネオリンピックでは世界のパワーにショックを受け、力を発揮することができずに大きな挫折感を味わいました。その後も所属チームの移籍が協約違反になってVリーグを1年間出場停止になり、復帰直後には左足親指を分離骨折して医者からは引退を迫られるなど、さまざまな試練にぶつかりました。それでもバレーへの情熱を失うことなく頑張り続けていましたが、なぜ自分がこんなに頑張っているのに結果が出ないのだろうと投げやりな気持ちになった時期もありました。そんなときに詩人のきむさんの「本当に頑張っている人は自分が頑張っていることに気づかない」という詩をみて、「こんなに頑張っているのに」と思っていた自分を情けなく思ったそうです。そしてさまざまな試練に耐え、肉体的にも精神的にも強くたくましくなり、今回のオリンピックでは全日本を引っ張る真のエースに成長しました。
最近システム部門のリーダーのひとりと話をする機会がありました。その人は最近になって目つきが変わってきたように感じていました。お客さんとも対等に渡り合って提案をするなど、力をつけ、自信をもって仕事をしているのがその理由です。その彼も2、3年前には頑張っているのに評価されないとか、力の発揮できる環境を与えてもらえないなどと不満をもらしていました。とにかく頑張ってみなさいと上司や周りの人たちが励ましていたのですが、そのうち結果が出はじめると、仕事がおもしろくなり、目つきが変わってきました。
私たちは良い仕事をしてお客様に良いサービスを提供しなければなりません。頑張っていることを評価してもらうのではなくて、結果がすべてなのです。私たちの業界も厳しい状況が続いていますが楽をして成長できるものではありません。手を抜かず、工夫をして仕事の質を上げることをそれぞれの立場で考え、実践していくことが必要です。苦労しながらの成長の繰り返しになりますが、「頑張っていることに気づかない」皆さんになって欲しいと思います。