大相撲が八百長問題で大騒動となり、戦災で国技館が焼けて以来65年ぶり、不祥事では始めての本場所休場に追い込まれました。
報道では勝負の売買や相撲賭博まで言及しており、国費が投じられた国技であることを考えると、これらが事実であれば言語道断といわざるを得ません。
八百長といえばこのように、勝負の勝ち負けを操作し、賭博行為を行うことと我々は認識しています。当然我々の日常生活ではこのような卑怯な行為に接することはありません。しかし、最初から悪意を持って賭博を行う人は滅多にいないと思います。きっかけがあるはずです。
八百長には次のような由来があるようです。昔、八百屋の長兵衛という人がおり、相撲の年寄、伊勢ノ海と碁をよく打っていたようです。長兵衛は商売のこともあり、勝負を操作し、伊勢ノ海親方の機嫌を取っていました。しかしある日、囲碁の名人との勝負で長兵衛の実力が知れ、勝負を操作することを八百屋の長兵衛をなぞらえ、八百長と呼んだそうです。そして、今では賭博に絡んで勝負を示し合わせる行為を示すようになりました。
八百屋の長兵衛が碁で行ったような行為は少なからず身に覚えがあるのではないでしょうか?人間関係や損得を気にして実力を発揮せずに手加減する。確かに職場環境、人間関係を大切にするべきです。しかし本来は、より良い仕事の成果を創り出すことが一番の目的のはずです。具体的に言えば、上司が部下に適切な指導をせずに任せきり、現場の社員が疑問に思っていることを他の人に任せて、自分は手を出さない。我々はチームで仕事をしています。社会の中で生活をしています。一人ひとりが同じ目標に向かって可能性を最大限発揮してこそ本来の目標に近づくのだと思います。そして、その結果大きな成果が得られます。
今回の八百長問題を契機に本来の相撲を見れる日を楽しみにしています。