2012年10月 怒り

2012年10月 怒り

 領土問題を巡り中国で反日デモがありました。デモが怒りを伴いエスカレートし暴動、略奪まで至る過程が報道されていました。怒りのエネルギーのすさまじさと、コントロールが難しいと実感しました。また、今回の原因とされた南の島が彼らの日常とどれだけ密接に係わり、果たして怒るに値するかは疑問をもちます。ベンジャミンフランクリンは「怒りにはいつも理由がある。ただし、正当な理由はめったにない」と言ったそうです。一部の煽動家の情報でも、場合によっては大きな怒りのきっかけになることが良くわかります。
 怒りは危険に身をさらされたときに起こる非常に原始的な感情の一つです。また、怒りは感情の中でも最もコントロールが難しいと言われています。怒った時には頭に血が上り、手に力が入ります。これは、危険から身を守るための攻撃の準備のために起こる反応です。恐怖をいだいたときには血の気が引きます。これは冷静に状況判断を行い、大きな筋肉に血を送って逃げる準備をするためです。
 怒りは仏教において抑制すべき煩悩の一つと言われており、三毒《貪・瞋・癡(とん・じん・ち)》としても取り上げられています。キリスト教においても7つの大罪の一つと言われ、人類にとって共通の乗り越えるべき大きな課題と言えます。
 怒りは身の危険以外でも、自分の期待や思うとおりにいかない時、意志と異なる行為をされた時など、様々な場面で起こります。日常生活では人に対する怒りが多いと思います。怒りを相手に対してぶつけるとスッキリすると思いがちです。しかし、怒りをぶつけた本人も、ぶつけられた相手も互いに嫌な気持ちが長く残るとのことで、もっとも悪い解消法の様です。
 怒りの解消法として買い物や、食事を思い浮かべる人も多いと思いますが、これらの行為も効果が少ないそうです。怒っているときにはアドレナリンが多く分泌されており、なかなか怒りを鎮めるのが難しいということです。
 怒りを解消するためには二つの方法があるようです。
 第一の方法は怒りの原因を早目に見つめなおすということです。ある危険(怒りの要因)が発生した際に、要因に対して(感情的に)評価を行います、その後評価を繰り返し、その結果爆発します。怒りを少しでも感じ取ったら、感情的に流されず可能な限り客観的な評価をしてみると効果があるようです。爆発してしまった後で後悔しても後戻りできません。
 第二の方法は気分転換です。テレビ、読書、映画など楽しいことで時間を過ごす、あるいは軽い運動をするなどをして、怒りから意識をずらし、心身を落ち着けることが重要とのことです。
 また、怒りの原因に対しても抑制が可能だと思います。我々は台風、地震などの自然に対して怒るということはあまりありません。一度災害で被害を受けた場合、対策を講じたり、同じ場所を避けて移住するなど、再び被害に合わないようにしています。身の回りの出来事に対しては期待や甘えがあり、その結果、意に添わない事柄が怒るきっかけになるのだと思います。過大な期待の結果、怒ってしまうのでは非常にもったいないとも思います。自分の思い通りになる範囲はごくわずかであると、謙虚な認識をもって、周囲に前向きな働きかけを心掛けることが怒りの発生自体を抑える一番の方法だと思います。