最近違うところで違う人から「ガラス瓶の中の蚤」の話を聞きました。蚤を調教しサーカスの前座として見世物にしている話です。蚤は本来20cm程ジャンプする力があるそうです。蚤を瓶の中に入れると、最初は瓶にぶつかり、次第に瓶に当たらない高さしかジャンプしなくなるそうです。その後、瓶を外しても本来の20cmは跳べず、瓶の高さしか跳べなくなってしまうそうです。
今の社会の閉塞感はこれまでの失われた20年に対する慣れの結果だと思います。先ほどの蚤のように無力感を学習してしまい前向きな取り組みが出来ずにいるのです。バブルがはじけてから証券会社、銀行、メーカーなど多くの企業がバブルのツケを払ってきました。現在も多少影響が残っていますが、これからは着実に前向きに発展していけると考えています。
先日ノーベル賞を受賞した山中伸弥教授は2006年に若くしてiPS細胞を発明しました。しかし、それまでには多くの苦労を強いられたそうです。彼のニックネームがよくあらわしています。一つ目は「じゃまなか」です。医者を目指し、研修医の時にあまりにも不器用だったためにつけられたあだ名だそうです。その後医者から、研究者を志しアメリカのグラッドストーン研究所で研究を始めました。帰国したときの職場で二つ目のニックネーム「やまちゅう」がつけられました。なかなか研究が出来ず、実験用のネズミの世話に忙殺されていたためだそうです。それからようやく研究の場を得て2006年のiPS細胞の発明に至りました。大きな成功を収めた山中教授ですら大きな挫折を何度も経験し乗り越えています。自分の能力や環境など様々な限界にぶつかった時に、自分で変えられることを見出し、前に進んできた結果が大きな成果につながったのだと思います。
我々はともすると蚤のように一度限界にぶち当たると、あきらめてしまう傾向があります。これからの時代は自分自身と周りの環境をよく見極め、自分の力を最大限に生かすことが必要なのだと考えています。身の回りにはたくさんの瓶(制約)があります。時代とともに現れては、消えていきます。常に周りの環境に気を配り不要な委縮をしないように心がけ、与えられた環境を最大限生かすようにしていきたいと考えています。