暑い日が続きます。
夏休みの時期ですが、この時期になると夏休みの宿題のことをたまに思い出します。文章を書くのが大の苦手だったので、読書感想文や絵日記は非常に苦痛でした。読み書きそろばんの中では一番の苦手です。文章をすらすらと書く人を大変うらやましく思えました。苦手なものはなかなかとっつきづらく、学生時代はずっと文章を書くのが苦手で、大学の卒業論文も下級生から日本語がおかしいと指摘されるくらいでした。しかし得意な分野があったので、なんとかやり過ごすことが出来ました。
社会人になると自分の得意とする専門的な分野だけでは完結しません。特に文章を書くことが周りの人と連携するうえで非常に重要になります。
日常の報告、提案をはじめ、特許や論文等で作文せざるを得ず、このころは既にあきらめの境地でしたので、先輩から怒られながらも少しずつ前向きに経験を積んできました。そのおかげで業務の文章に関しては苦手意識は薄くなりました。最近は社内報を毎月書くようになりました。趣の違う柔らかい文章ですので、いまだ苦戦中です。社内報を読んで頂いた方から論文みたい、難解だと言われることもあり、反省点や課題が山積です。ごくたまにお褒めの言葉を頂戴することもあり、これからも頑張って少しでも多くのことを伝えられるようにしていきたいと考えています。
得意なことはあまり努力せずに一般的なレベル以上の結果が出せ、苦手なことは多少の努力では普通のレベルに達することが出来ないものです。あらゆることに秀でている人はごくわずかで、皆多少の得意、不得意があるはずです。得意なことは褒められるし、好きになり、自然と上達していきます。
人の育成については、それぞれの得意なところを思いっきり伸ばしていくべきだという信条です。しかし人間バランスが欠けるといずれは行き詰ります。その時には苦手の克服が非常に重要になると思います。生得的なセンスが必要とされる芸術、スポーツなどは別にしても、大抵の事ならば方法と時間、努力次第で克服できると信じています。苦手なことを避ける理由はいくらでも出てきます。まずは意識の改善です。前向きに取り組めればしめたものです。あとは自分のレベルに合わせて少しのコツと、試行錯誤や経験を積み重ねれば向上していくはずです。
私の場合は、心に浮かんだイメージを文章にするセンスが無く、センス不足を補うための経験や、内容を構想する時間も不十分でした。しかし業務という目的のため文章を書く経験を積み重ね、少しずつ習得してきました。苦手の克服では得意なことを伸ばすのとは違った観点で工夫したり経験を積んだりして、時間はかかりますが着実な成長を実感しました。これらの経験が得意なことのさらなる成長に生かせるのだと思います。
左利きの方が器用であると良く言われますが、彼らが苦手な右手文化に苦労して適用してきた成果なのだと思います。