2月にマスクの入手が困難になって1ヶ月以上経過します。暫らく厳しい規制はありませんでしたが3月10日に「マスクチーム」が立ち上がり、閣議でマスク転売禁止が決まりました。マスク転売禁止が施行された3月15日以降は、オークションサイトなどで見かけることはなくなりました。「マスクチーム」は「医療機関や介護施設に対して国が購入したマスク供給を、自治体や関係企業と連携し、円滑に行っていく」とのことです。
我々が普段使用する不織布のマスクの穴は5μmの大きさです。スギ花粉は30μm、くしゃみなどの飛沫は5μm、細菌は1〜2μm、ウイルスは0.1〜0.3μmです。花粉や飛沫には有効ですが細菌、ウイルスを防ぐのは困難であることが分かります。
オーストラリアのNew South Wales大学のRaina MacIntyre教授は、インフルエンザにおいてマスクの有効性を検証しました。マスク着用と手洗い、マスク着用のみ、両方せずの3つのグルーブに分けてインフルエンザの罹患率を調査しました。マスク着用と手洗いのグループは両方しないグループよりもインフルエンザの症状になる人が35〜51%も低下しました。しかし、マスクのみの着用のグループは両方しないグループとの有意な差はなかったとのことです。手洗いをしっかり行うことが非常に重要です。WHO(世界保健機関)は「マスクだけでは感染を防げる保証は無いとして、貴重な資源をむだにせず、また間違った使い方をしないためにも、症状のある人だけがマスクをするよう」呼びかけています。CDC(アメリカ疾病対策センター)は「特別な状況にないかぎり、感染を避けるという目的で症状のない人がマスクを着用することは推奨しない」としています。
首相官邸や厚生労働省も「感染症の拡大の効果的な予防には風邪や感染症の疑いがある人たちに使ってもらうことが何より重要です。」とHPで訴えています。不要不急のマスクの利用を控え、感染してしまったときや、疑いのある時や、家族などの看病などで必要なときにマスクが足りなくなることを防ぐ必要があります。
冬に乾燥するとウイルスが軽くなり空気中に漂うため、インフルエンザ等の感染症が流行します。人の気道や肺には1,000分の1ミリの繊毛がびっしりと生えています。繊毛は呼吸で入り込んだ異物を体外や胃に排出します。肺に入った異物は30分で排出されます。繊毛は寒さと乾燥に弱いので、冬には感染症に罹患しやすくなります。この観点からもマスクで喉の乾燥を防ぐことで感染症の対策になります。
コロナは熱に弱いので26〜27度のお湯で効果があるなどのデマ情報がいくつも飛び交っていますが、実害がない情報はまだしもフィリピン、イラン、コスタリカなどではメタノールが効果があると聞いた人が死亡する事故が発生しています。
危機的な情報になればなるほどより正しい情報を見極め冷静に対応することが非常に大事であると思います。新型コロナウイルスが流行していますが、日本は一定の経済活動を保ったまま対応が出来ています。この恵まれた状況を維持し1日も早く日常が戻るよう気を抜かない引き続き対応していきたいと思います。