2024年12月 ホワイト案件

2024年12月 ホワイト案件

 今年の「新語・流行語大賞」が2日に発表され、年間大賞には、昭和から令和の時代にタイムスリップした主人公の戸惑いを描いたテレビドラマ「不適切にもほどがある!」を略した「ふてほど」が選ばれました。トップ10には大谷選手の「50-50」をはじめ、パリオリンピックの「初老ジャパン」「名言が残せなかった」なども選ばれました。近年問題になっている闇バイトに関係する「ホワイト案件」も選ばれています。
 警視庁のHPで「闇バイト」に関する注意を喚起しています。HPには「X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSで『高額』『即日即金』『ホワイト案件』等、簡単に高収入が得られるかのように甘い言葉で募集しています」とあります。SNSで高額報酬の案件を簡単に見つけられるのも非常に違和感があります。応募すると「シグナルやテレグラムといった秘匿性の高いアプリに誘導して個人情報を送信させ利用されてしまう」とありました。2023年1月〜7月末に検挙された被疑者で、受け子になった経緯について、「SNSからの応募」(46.9%)が最多で、「知人等紹介」(27.5%)、「求人情報サイト」(4.9%)となっています。スキマバイトサービスのタイミーでは11月7日に「深夜の散歩が好きな方必見!夜道で猫を探すバイト」という案件が掲載されました。これが闇バイトの募集ではないかと話題になりました。タイミーの広報担当者によると「闇バイトだと断定はできないが、携帯電話を預かるという点や深夜に短い稼働時間で高めの報酬という点で不適切な求人の疑いがあり、掲載を差し止めた」とのことでした。これ以外にも警察庁と厚生労働省は、大手求人サイト「Indeed(インディード)」「エンゲージ」、掲示板サイト「ジモティー」で闇バイトが募集されていたことを確認しているそうです。
 10月に三鷹市の住宅に押し入り、強盗未遂事件で逮捕された京都市の大学生はX(旧ツイッター)で「ホワイト案件」と検索して見つけた投稿に応募。容疑者によると今回の事件の報酬は数万円程度だったことから、「ホワイト案件」と判断したとのことです。しかし、応募したのち秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」で誘導された現場で空き巣をするよう指示されたと供述しています。警察庁の集計では23年9〜12月末で、約4400件もの闇バイトの疑いがある求人を確認したそうです。8割は要請を行う前に投稿が削除されたり、要請によって投稿が削除されたりしていますが、2割のケースで事業者が要請に応じず、削除されないままになっているそうです。
 タイミーは「闇バイト」対策として、求人原稿を掲載前に全件チェックする体制を構築したほか、個人の電話番号も勤務直前まで開示しない仕組みを導入したそうです。リストラを行ってきたヤマト運輸では、スキマバイトスタッフが増加するのに連動して、「iPhone」の盗難が頻発しているという話もあるようです。
 求人サイトの多様化で便利になっています。各サイトでも対策を実施していますが信用チェックは十分と言えない状態が続いています。「ふてほど」は極端ですが、価値観、環境は常に変化しています。最新の知識を取り入れていくことでリスクを低くした便利な環境作りが必要だと思います。